JMET

EFTの臨床レポート

EFTのうつ治療への効果研究

The Journal of Science and Healing(2016年8月1日)にEFTの効果研究を分析した論文が掲載されました。
http://www.explorejournal.com/article/S1550-8307(16)30106-9/fulltext
日本語訳はこちらになります。
うつ病治療における臨床(EFT)のランダム化及び非ランダム化試験のシステマティックレビューメタ解析

簡単な解説

専門的な論文のため、専門用語が多く、分かりにくいと思われるため、簡単に解説します。

この論文は、2005年~2015年に報告されたうつ病へのEFTの効果研究論文を分析したものです。
1つの研究結果だけではなく、複数の研究結果を分析しているので、より信頼性が高いと言えるでしょう。

そして分かったことは、EFTは通常の治療よりも優れていて、必要なセッション時間においても効果的だったということです(より短期間での効果が見込める)。

EFTはうつ症状減少に高度に効果的であるという研究結果が示されています。

統計用語で「Cohen’s d」というものが使われています。

「検査後のEFTの効果量d =1.31は、抗うつ薬臨床試験や心理療法研究のメタ解析で算出された数字よりも大きかった」

このように書かれていますが、このdというのは2つの差の大きさをを測る指標です。
つまり、EFTを行ったグループとそうでないグループとの差を測ることで、EFTが効果があるかどうかを統計的に示すことができます。

このd値の目安は次の通りです。

0以上0.2未満:差はほとんど無い
0.2以上0.8未満:小さいながら差がある
0.8以上:無視できない大きな差がある

大きいほど差があるということで、EFTの効果量は非常に高い数値になっています。

つまり、研究結果はうつ病においてEFTは高度に効果があるということを結論づけています。

EFTのPTSD (退役軍人) への効果研究

EFTを使った兵士の精神的トラウマ症状緩和に関する無作為化比較試験

ヒューストン大学のサイトにJournal of Nervous & Mental Disease(2013年2月)の論文要旨が掲載されています。
http://www.houstonpublicmedia.org/articles/news/newslab/2013/09/30/46675/study-finds-86-percent-of-vets-with-ptsd-respond-to-unusual-healing-technique/
日本語訳はこちらになります。
EFTを使った兵士の精神的トラウマ症状緩和に関する無作為化比較試験

簡単な解説

EFTを受けたグループ(6回のセッション)と受けないグループに分け、EFTを受けたグループの90%の人はPTSDの診断基準を満たさなくなりました。
一方、EFTを受けていないグループでは診断基準を満たさなくなった人は4%しかいませんでした。

明らかにEFTはPTSDに高い効果が見られます。

文中に「p < 0.0001」という統計用語が使われています。

これはEFTを受けたグループと受けていないグループの差があるかどうかを統計的に示したものです。
p<0.05のとき、偶然で生じた可能性が5%未満ということになります。

医学・薬学・心理学の研究ではp<0.05(5%)で有意な差があるとされています。
慎重な比較をする場合はp<0.01(1%)という数値を基準にする場合もあります。

今回の研究結果では精神的苦痛レベルの低下は偶然の可能性が0.12%(p<0.0012)未満。
PTSD症状レベルの低下については偶然の可能性が0.01%(p<0.0001)未満と著しい差異が認めれます。

EFTはセッション後の継続効果も認められており、PTSDに対する治療効果、持続性は極めて高いと言えるでしょう。