JMET

「責められるのが怖い」

徳山なおこ ケース
Bさんは職場でリーダーを務めていらっしゃいますが、第一線と言われる部署のリーダーは任せてもらえないことに対して「私が役に立たない人間だからだ」と思って辛い気持ちになる、というお悩みでした。

お話を伺って行くと、第一線の部署のリーダーを任されたいという気持ちはあるものの、実際にリーダーになることに対しては、「私は判断が遅いから素早い判断ができない」、「間違えたらどうしよう、失敗したらどうしよう」という不安を抱えていらっしゃることが見えて来ました。

その不安をより詳しく見て行くために「間違えたらどうなりそうか、一番起きたら嫌なことは何か」を伺うと、Bさんの答えは「人から責められる」というものでした。
人から責められる場面をイメージしていただくと、恐怖と、ぎゅーっと身体が強張る感じが出て来たため、そこからマトリックス・リインプリンティングのセラピーに入りました。

身体が強張る感覚をよく感じていただくと、たくさんの男の人に責められているような感覚が出てきました。
そして、チベットのような場所で、僧侶のような服を着ている男性が、一緒に瞑想している仲間から責められている場面が現れました。Bさんは、その責められている男性が自分自身の姿だと感じるとのことでした。

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【注(徳山なおこ)】
マトリックス・リインプリンティングのセラピーでは、過去性のような場面が出てくることもあります。
過去性が実際に存在するかどうか私には分かりませんし、このように出てくる場面が過去性なのか、それともご本人の中の何らかのメタファーや象徴のようなものなのか、それも分かりません。
けれども大切なのは、「その方の中に、その苦しい思いや感情・感覚が存在している」という事実であると考えています。(ご本人の中に無いものは出てきません。)
そしてマトリックス・リインプリンティングでその苦しい思いや感情・感覚を解放してくことで、実際にその方に癒しが起こります。
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責められている男性は、大勢の仲間の僧侶から「お前は間違っている」「進歩が無い」「分かってない」などと責められ、袋叩きに遭っていました。
そして男性は、「こんなに一生懸命にやっているのに自分には何も分からない。自分には何の価値も無い。」と感じて、死んでしまおうかと絶望していました。

マトリックス・リインプリンティングで、男性の絶望感、諦めなどを解放して行きました。

すると自然に、うなだれていた男性が真っ直ぐに立ち、光の中で、「私は私の生きる道へ向かって進んで行こう」と迷いなく覚悟したイメージに変わりました。
そして責めていた僧侶たちにも、「もう君たちの好きなようにはさせない、私は私だ。」と、毅然と力強く伝え、その時Bさん自身も大きな解放感を感じられました。

セラピーの最後に男性は、現在のBさんに「一緒に居るよ」と伝えたそうです。
Bさんは、これから男性と一緒に歩いて行く感じと、お互いに守られている感じを感じて、深い安心感を感じるとのこと。
その安心感をしっかりと焼き付けて(リインプリンティング)、セラピーを終了しました。

セラピー終了後に、失敗して責められる場面をイメージしてみていただくと、Bさんは、セッション前と違って、相手に「ちょっと待って」と言えそうな、力強い感覚があることに気付かれました。
また判断を求められた時は、「ちゃんと見たら分かるから」、「私のペースがあるの」と、しっかり自分の意見を言える感じがあるとのことでした。

後日Bさんから、「責められるような状況になっても、自分が守られている感覚、安心感を感じられる。そして、相手に何も言えなかったのが言えるようになってきた。実際の変化を感じています。」とのご報告をいただきました。